<グウェギュン>


「陛下ぁ〜…」

汗と涙を流しながら追いかけて来るギュンターを見てしまえばいくらユーリでも 逃げようとするだろう。ギュンターに追われたユーリが必死に城中を走り回り、 逃げようとする。あれだけ走ってもまだ誰も助けてくれそうな人には出会わず、 いい加減ユーリは疲れてきていた。

そんな時

「ギュンター」

ギュンターの背後から聞こえた低い声で、休みなく騒音を生み出していたギュン ターがふいに立ち止まって静かになった。ユーリは、助かったとばかりにその隙 をついて廊下の曲がり角へ消えていく。

硬直してそれを見守ったギュンターは、 ゆっくりと恐る恐る声の主を振り返った。

「何をしていたのか説明して欲しいのだが」

痛い位の不機嫌な低音がギュンターに突き刺さる。逃げ出したいのを何とかこら えて表情を盗み見ると、グウェンの額には縦皺がくっきりと刻まれていた。

「あ、あの…その…」

ギュンターが言い訳を考えようと言い淀む。目が泳いでグウェンの胸の辺りをう ろうろと視線がさまよった。

その様子を見たグウェンダルは小さく舌打ちをもら し、ギュンターを引きずって空き部屋へ押し込んだ。その場にとどまろうとする ギュンターの小さな抵抗は、グウェンの秘めた怒りの前に消え失せる。

「な、何をするのですかっ」

微かにうわずった、悲鳴じみた声は見事に黙殺された。

部屋の扉がしまると同時 に、たたきつけるように体を壁に押しつけられる。

「また、陛下を困らせていたのだろう」

冷ややかに怒りを込めた視線がギュンターを射抜いた。おびえるようにビクリと 肩を震わせたギュンターにグウェンはかみ付くように唇を合わせた。

「ひっ…あっ」

白いひらひらとした服が床に落ちる。グウェンが唇を合わせたまま、ギュンター の服をはぎ取った。









「あっ…ふぅ…」

壁に手をつかされ、背後から貫かれてあえぎ声をもらす。紫の美しい髪を振り乱 してしどけなく乱れた。戒め、怒りをぶつけられるように抱かれた。それは理不尽とも いえる嫉妬の怒りを進んで受け入れるかのように見えた。

結局ギュンターはグウェンがなぜ怒るのか分かっているのかもしれない。嫉妬さ せるために陛下を追いかけているのかもしれない。

「ひぁっ…」

キツイ突き上げに喉を鳴らす。

女のように甘い嬌声と美しい媚態はグウェンダルの征服欲を満たしてくれた。そ れでも征服し支配したいという欲望は尽きない。悩ましげに腰を揺らめかせ、全 身を反りあげる淫らで美しい身体に、幾度も欲望を注ぎこんだ。






なんていうか、その。年下攻めとか下克上っていいですよね